そもそも「若狭塗箸」とはどんなもの?
若狭塗箸の始まりは、さかのぼること400年前。当時の小浜藩の漆塗り職人・松浦三十郎が、中国の漆芸※をヒントに、地元の貝殻を使って生み出したものと言われています。若狭塗箸には今もあわび貝の殻が使われているんですよ。(今井さん)
削り方の創意工夫で全く違う模様になり、塗り重ねた漆の色もグラデーションになって現れます。江戸時代後半や明治の初めには、螺鈿(らでん)※1のほか蒔絵※2の技法も併用され、すでに200種類もの模様があったということです。(今井さん)
※2 漆で文字や文様を描き、漆が乾かないうちに金粉を蒔いて装飾を施したもの
さっそくMy箸づくりにトライ!
機械で研磨しますが、それほど難しい作業ではありません。小学生からご年配の方までどなたでも体験できますよ。服が汚れないようにエプロンも貸し出します。(今井さん)
箸の角のところは漆の層が薄いので、そこは特に気をつけるとうまくいきます。私たちがそばについて指導しますので、安心してください。(今井さん)
研ぎすぎないかドキドキして、最初は恐る恐る……。でも慣れてきたら無言で集中して、あっという間でした。オンリーワンのMy箸は愛着がわきますね!毎日の食事を大事にしようと思います。(左)
伝統工芸の塗箸は「おばあちゃんっぽい?」と思っていたけど、このキラキラはかわいくてテンションが上がります! 毎日大切に使いたい!。(右)
自分で箸を作る機会を提供することで、箸への愛情、感謝の気持ちを持ってもらえたら……という思いから始めました。(今井さん)
日常使いから国宝級の職人手作りまで3000種!
値段の違いはどこから来るの?
加工された木地に何色もの漆を塗り重ね、その過程で貝殻・卵殻・松葉・金箔などを塗布していく若狭塗は、別名「変わり塗り」とも呼ばれています。伝統技法では、数回におよぶ漆の塗装や研磨などに多くの時間と手間がかかります。
異なる色の漆を何回も塗り重ねるので、1回1回完全に乾かさなければなりません。どうしても値段が高くなりますよね。(今井さん)
もともとは、贅を尽くした高級漆器として始まった若狭塗
若狭塗の美しさを庶民の食卓へ!
近年は速乾性の塗料が普及して、大量生産が可能になってきました。箸は使ってもらうことが大事。若狭塗箸の華やかさ、美しさを庶民の食卓にお届けするため、常に消費者ニーズに合った箸づくりを目指してきました。(今井さん)
ニュアンスカラーや食洗機OKの塗箸も!
お店ごとに展示された若狭塗箸
まだまだ伸びしろがある産業なので、後継者が増えてくれることを願っています。上海やミラノの見本市に出店するなどして、若狭ブランドをさらに海外に広めようとグローバルな展開を進めています。(今井さん)
作る楽しみ・選ぶ楽しみを満喫して
若狭塗箸協同組合 箸のふるさと館WAKASA
| 住所 | 福井県小浜市福谷8-1-3 |
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| 利用時間 | 平日 9:00~17:00 日曜・祝日 9:00~17:00
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| 休館日 | 年末・年始・木曜日 ※木曜日が祝日の場合と8月4日、8月13日~16日は開館しています。
(但し、木曜日が祝日の場合、翌金曜日が休館となります)
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| 駐車場 | 有 |
| 交通アクセス | JR小浜線「小浜駅」から車で10分 舞鶴若狭自動車道 小浜ICから車で約10分
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| 料金 | 入館料 無料研ぎ出し体験 1,100円(税込) |
| お問い合わせ先 | 電話 0770-52-1733(平日9:00~17:00/日曜・祭日9:00~16:00) |
| URL | https://wakasa-hashi.com/ |