敦賀・若狭 グルメコラム

冬本番を迎えたおおい町と若狭町。長年地元の方に愛される、とっておきの冬の逸品。

凍える寒さのこの時期に旬を迎える、嶺南エリアでおなじみの食材。一年の中でも「今が一番旨い!」と誰もが口をそろえる逸品を訪ね、若狭路を走ります。

おおい町 美食ダイニング おこ

「美食ダイニング おこ」の入口と看板が分かる店舗の外観

落ち着いた佇まいの「美食ダイニング おこ」外観

しみじみと滋味深い。秋のジビエを堪能できる美食ダイニング

舞鶴若狭自動車道小浜ICを降りて国道162号線へ車を走らせると、20分程で「料理旅館 南川荘」「美食ダイニングおこ」の看板が見えてきます。ここは元々、夏は鮎、冬は猪肉を提供する料理旅館。宿泊しなくてもランチやディナーで美味しいお料理が楽しめる「美食ダイニング おこ」がオープンしたのは2024年11月のことです。
カウンター席のお客様の前で、オープンキッチンで調理する店主の姿

お客様の目の前で調理する店主の姿

「おこ」と書かれたのれんをくぐると、店内は長いコの字型のカウンターがぐるっとオープンキッチンを囲んでいます。どの席からも店主の島田恭宏さんが調理している姿が見え、その手際の良さに見とれてしまいそう。常連さんと会話を楽しみながら一品一品丁寧にお料理を提供している様子が伺えます。
オープンキッチンから見える店主の調理風景

おこ店主の真剣なまなざしの調理風景

島田さんにおすすめを尋ねると、「今の季節はやっぱりぼたん鍋。近隣の山で獲れた新鮮な猪肉は、今の時期が一番脂が乗っていて美味しいですよ。」とのこと。こちらでは「お一人様用ぼたん鍋(おうどん付き)」という嬉しいメニューがあり、さっそくオーダーさせていただきました。
金のプレートに盛られた猪肉の料理

猪肉の美しさを引き立てる一皿

一人用土鍋で提供されるぼたん鍋セット

「美食ダイニング おこ」のメニュー:お一人様用ぼたん鍋(おうどん付き)

金色のお皿の上に花開く、赤いぼたんの花。猪肉のあでやかなその姿に思わず目を見張ってしまいます。ぼたんの花の形を保ったまま静かに鍋に投入するとみるみる肉の色が変わり、出汁のいい匂いが。「まず鍋のだし汁を味噌の入ったお椀に4杯ほど注いでください。」と島田さん。お椀の味噌は山椒を練りこんだ秘伝の味噌。溶かした味噌だれにまずは猪肉をつけていただきます。噛めば噛むほど猪肉の脂身が流れ出し、滋味あふれる美味しさが口の中いっぱいに広がります。山椒の効いた味噌だれが猪肉の力強い旨さをしっかり受け止めていて、相性抜群!
箸あげされたぼたん鍋の猪肉

湯気とともに楽しむぼたん鍋

「地元で獲れた新鮮な猪肉を厳選してお出ししています。お野菜も近隣のものを使用し、地元の味を大切にしています。」と島田さん。ねぎやごぼう、かぶなど、季節のお野菜もふんだんに入ったぜいたくな一人鍋です。「鍋に味噌を溶いてしまわず、味噌だれにつけて食べるスタイルがうちのこだわりです。そうすることで、最後の一口まで味が変わらず美味しく食べられるんですよ。」ジビエ独特の臭みも全く感じず、最後はおうどんも入れて締めまで堪能させていただきました。
暖簾前に並ぶ、「美食ダイニング おこ」店主 島田さんご夫婦

「美食ダイニング おこ」店主 島田さんご夫婦

オープンキッチンでお客様と距離が近く、お料理をすぐに提供できるのもこのお店の魅力。また会話をしながら和やかな雰囲気が醸し出されるのもオープンキッチンの良いところです。島田さんと接客を担う奥様の桃子さんの笑顔や楽しい会話も、お料理をさらに美味しくしてくれる隠し味。地元の方が定期的に訪れたくなるのも納得です。
「このあたりは山もあり海もあり、自然豊かな土地で季節の恵みがたくさんあります。それらを料理でどう表現するか。お客様にいかに喜んでいただけるか、そんなことを考えながら日々努力しています。」そんな努力もお料理の美味しさに繋がっている気がします。
店名 美食ダイニング おこ
住所 福井県大飯郡おおい町名田庄三重52-18-1
電話番号 0770-67-2406
サイトURL http://www.oko-dining.com/

若狭町 うなぎの魚三

和モダンな佇まいの「うなぎの魚三」の店舗外観

和モダンな佇まいの「うなぎの魚三」

地元の方に愛される味がここに。うなぎの名産地で味わう至福の「上うな重」

再び舞鶴若狭自動車道に乗り、三方五湖ICで下車し小浜方面に車を走らせて約5分。2022年に移転オープンしたという新しい店構えの「うなぎの魚三」に到着しました。お目当てはもちろん「うな重」!テイクアウトがメインとのことですがお店でもいただけるとあり、予約してからお伺いしました。
畳敷きの和室にテーブルと椅子を備えた客席

ゆったりと過ごせる和室席

店内はカウンター2席と個室が4部屋。さっぱりと明るい和室に案内され、店主の千田清司さんにお話しを伺うことができました。
焼き台でうなぎを焼いている調理風景

直火で焼き上げるうなぎの調理風景

「うちは、地元のお客様を何より大切にしています。」とおっしゃる千田さん。あくまでも「地元のお客様ファースト」を貫く理由は、千田さんのある使命感によるもの。「僕は、京都の老舗旅館で和食の修行をしたのちUターンで地元に戻ってきたんです。その時に近所のじいちゃんたちも喜んでくれて『よう帰ってきたな。店続けるんやろ。』と声をかけてもらいました。地元に戻ってきて結婚して子供が生まれて、今は消防団の活動もやっています。若狭ならではの味、風土、生活、そういったものを地元の皆さんと一緒に次世代に繋いでいくのが僕たちの役割。だから地元のみんなを大切にしてひとつのチームとして、この町を盛り上げていきたいんです。」
うなぎを秘伝のたれに浸けている様子

うなぎを秘伝のたれにくぐらせる

元々は千田さんの祖父がうなぎ漁をしていたとのこと。父親の代でうなぎ屋として宴会や法事のお弁当も出すようになったのだとか。「魚三では主に愛知県産の養殖うなぎを使用し、さばき・串打ち・焼きまで全て店内で行っています。秘伝のたれは何十年と継ぎ足し、自分の色も加えながら味に深みを出しています。」と千田さん。期待に胸を膨らませつつ、さっそく「上うな重」を注文させていただきます。
上うな重とお吸い物、若狭産の梅干し

「うなぎの魚三」のメニュー:上うな重

重箱に盛り付けられた上うな重

照りが美しい、上うな重

運ばれてくると同時に香ばしい香りが食欲を刺激します。堪らず、たれが沁みこんだご飯とうなぎを一緒に頬張れば、濃厚なうなぎの脂とたれの旨さに身も心もふわっと飛んでいきそう…!表面はパリッとしているのに身はふっくらで、もうお箸が止まりません。
「お米や塩も地元産のもので、梅干しは僕の後輩がやっている赤尾農園のものを使用しています。うなぎと梅干しは食い合わせが悪いというのは迷信です。若狭の美味しい梅干しと一緒に、ぜひうなぎを堪能してください!」
店舗前に並ぶ、「うなぎの魚三」店主 千田さんご夫婦

「うなぎの魚三」店主 千田さんご夫婦

結婚10年目で3人のお子さんにも恵まれた千田さんご夫婦。食事中には「ただいま~!!」と元気な声で小学校から帰ってくる息子さんの姿も。家族みんなで協力し合い、お店を切り盛りしている様子をとても微笑ましく拝見することができました。

地元の常連さんに愛される、この土地ならではの美味しさ。両店とも地元愛がそのままお料理にも反映されていて、とてもあたたかな気持ちになりました。

次回は高浜と小浜で、「かに」と「ふぐ」という冬の味覚の代表料理を味わいます。
店名 うなぎの魚三
住所 福井県三方上中郡若狭町鳥浜50-21-1
電話番号 0770-45-0894
Instagram https://www.instagram.com/uosan0709/
凍える寒さのこの時期に旬を迎える、嶺南エリアでおなじみの食材。一年の中でも「今が一番旨い!」と誰もが口をそろえる逸品を訪ね、若狭路を走ります。