敦賀・若狭 グルメコラム

干物の冷凍保存方法・おいしい焼き方│嶺南名物・しょうゆ干しの魅力も紹介

ざるにのったさまざまな干物
魚の干物といえば、和食の定番メニューです。上手に冷凍すれば1ヵ月ほど保存でき、焼き方を工夫すればパサパサになりません。ここでは干物の正しい冷凍保存の仕方、おいしく食べられる焼き方の工夫を紹介するとともに、福井県・嶺南地区(敦賀・若狭)の有名な干物を紹介します。干物が買えるお店も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

干物のおいしさをキープする冷凍/冷蔵保存の方法

市場で売られている干物
干物は生魚よりも日持ちしやすいですが、すぐに食べない場合は冷凍保存しておいしさを長持ちさせましょう。もし数日以内に食べる予定があれば、冷蔵保存がおすすめです。

冷凍保存方法

冷凍する場合は、干物を1枚ずつラップで包み、さらに新聞紙かアルミホイルで包みます。しっかり包むことで臭いもれや酸化、冷凍焼けを防ぎ、おいしく食べられるでしょう。冷凍対応の保存袋に入れて空気をなるべく抜き、アルミトレイがあればそこにのせて冷凍庫に入れます。冷凍室の奥、もしくは冷気が出てくるところに置くと温度変化もなく安心です。
冷凍した場合の日持ちは2週間〜1ヵ月ほどで、近々食べる予定がない時におすすめです。

冷蔵保存方法

冷蔵保存するには干物を1枚ずつラップで包み、密閉できる保存袋に入れます。保存袋から空気を抜き、なるべく真空に近い状態にするのがポイントです。チルド室に入れると、より鮮度が保たれます。
冷蔵保存した場合の日持ちは5日間ほどです。

敦賀・若狭で有名な干物

透き通ったカレイの干物
嶺南地区(敦賀・若狭)を訪れたなら、名物の干物をお土産にしてはいかがでしょう。若狭カレイの一夜干しと魚の醤油干しについて紹介します。

若狭カレイの一夜干し

若狭湾で水揚げされた「ヤナギムシカレイ」と呼ばれるカレイの一夜干しは、有名な干物のひとつです。体長が20〜25cmの大きなカレイで、白く透き通る身がわずかに甘さを感じることから「甘がれい」とも呼ばれています。
9月からの2ヵ月で水揚げされ、一晩かけて干すことでうまみを凝縮させます。適度に水分が残っているのでやわらかな食感が楽しめ、さらに焼くと身がはがれやすく食べやすいのが特徴です。特に秋から冬の産卵前は肉厚で脂がのり、格別のおいしさを味わえるでしょう。

若狭おばま醤油干し

干物といえば塩やみりん干しが定番ですが、嶺南(敦賀・若狭)の家庭では昔から醤油干しが親しまれています。醤油干しは、若狭湾で水揚げされる新鮮な魚を醤油と酒に漬け込んで一夜干しにしたもので、焼くと香ばしい香りが食欲をそそり、醤油が魚のうまみを引き出してくれます。

冷凍干物のおいしい焼き方

網の上で焼かれている干物
冷凍した干物をふっくら焼き上げるコツは、解凍しないこと。調理器具別の焼き方のコツも紹介します。

冷凍したら解凍は避けそのまま焼く

解凍をすると干物のうまみ成分が水分とともに溶け出てしまいます。そのためおいしく食べるには、冷凍した状態で焼くのがおすすめです。冷凍状態のまま調理するのが難しい場合は、冷蔵庫に移して3~4時間おいて半解凍状態で調理すれば時短も叶います。ただし常温で解凍すると水分が多く出てしまうため、焼くまでは冷蔵庫から出さないようにしましょう。

調理器具別の焼き方|グリル、フライパン、トースター

干物は基本的に身から先に焼き、次に皮目を焼く、と覚えておくと良いでしょう。ここでは、干物を焼く際の手順を調理器具別に紹介します。
グリルでの焼き方
  1. 網に油を塗って、予熱しておく
  2. 干物の皮目が下を向くように並べる
  3. 中火で5分、さらにひっくり返して3分焼いて完成
フライパンでの焼き方
  1. 大さじ1のサラダ油を入れ熱する
  2. 凍ったままの干物を皮目を上にして10分ほど焼く
  3. ひっくり返したら、干物1枚に対し酒大さじ1を加えて4分ほど蒸し焼きにして完成
トースターでの焼き方
  1. 天板にアルミホイルを敷く
  2. 皮目を下にした干物を置く
  3. 200度で10~12分ほど焼いて完成

敦賀・若狭で干物が食べられる/買えるお店

嶺南地区(敦賀・若狭)では干物が食べられるお店や購入できるお店が豊富にあります。近くを訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

うまみたっぷりの干物は種類豊富|㈱大澤五右衛門商店

大澤五右衛門商店の店頭

大澤五右衛門商店の店頭

引用元: ㈱大澤五右衛門商店

若狭小浜お魚センターの中にある大澤五右衛門商店は、鮮魚店・お刺身処「五右衛門」・寿司店「ごえもん」の3店を営業しています。鮮魚店には、小浜港で水揚げされた旬の魚が並び、うまみがたっぷり凝縮された干物は、種類も豊富です。
住所 〒917-0081 福井県小浜市川崎2-5-1若狭小浜お魚センター内
電話番号 0770-52-4666
営業時間 7:00~13:00頃
定休日 不定水曜日・年始
※詳細は事前にご確認ください。
参考サイト 大澤五右衛門商店

塩加減、干し加減を見極め魚本来の味を引き出す|田村長

干物づくりの様子

干物づくりの様子

引用元: 田村長

田村長の干物はこだわりの塩加減と塩使いで、おいしさを最大限に引き出す製法が特徴です。新鮮な魚をその日のうちに干物にし、魚の大きさや種類で塩加減と干し加減を調整しています。
田村長の浜汐若狭甘鯛(ぐじ)

田村長の浜汐若狭甘鯛(ぐじ)

引用元: 田村長

冬場はカマスやササガレイの干物が登場しますが、通年の人気商品は「浜汐若狭甘鯛(ぐじ)」。甘鯛を面割りにして一塩し、わざとウロコを残した若狭伝統の一夜干しです。ほろりとした身の柔らかさと旨味が絶品! 手間暇かけてこだわり抜いた、伝統の味をぜひ堪能してみてください。
住所 〒917-0084 福井県小浜市小浜広峰14番地
電話番号 0770-52-0310
営業時間 月~土曜日 9:00~17:00
日、祝日 9:00~16:00
定休日 水曜日・年末年始定休 12/30~1/6
臨時休業あり
※詳細は事前にご確認ください。
参考サイト 田村長

お魚センター内最大の売り場面積を誇る|(有)桝屋商店

枡屋の店頭

枡屋の店頭

引用元: 狭小浜お魚センター

若狭小浜お魚センター内で1番の広さを誇る桝屋商店は鮮魚の品揃えが豊富で、自家製の干物も人気です。種類もさまざまあり、塩干し、醤油干し、味噌漬けなどが販売されています。
住所 〒917-0081福井県小浜市川崎2-5-1(市場営業所)
電話番号 0770-52-2333
営業時間 7:00~13:00頃
定休日 不定水曜日、年始
※詳細は事前にご確認ください。
参考サイト 桝屋商店

なかなか味わえない火山灰干しをお試しあれ|島屋

島屋の店頭

島屋の店頭

引用元: 島屋

日本海さかな街の中にある島屋では、多くのリピーターがいる人気商品をたくさん販売しています。なかでも看板商品の「火山灰干し」とは、天日干しの代わりに火山灰の中に魚を埋めて、灰の吸水力を利用して干物にする製法です。脂の酸化が少なく、焼きあがりはうまみたっぷり、身はふっくらしているのが特徴です。
住所 〒914ー0125 福井県敦賀市若葉町1ー1531
電話番号 0120-137-408
営業時間 平日  10:00~18:00
土日祝 10:00~18:00
※12/31は17:00閉店。
定休日 日本海さかな街の休館日に準ずる
※詳細は事前にご確認ください。
参考サイト 島屋

海を眺めて食事を楽しんだ後はお土産選び|UMIKARA

UMIKARAの売り場

UMIKARAの売り場

引用元: UMIKARA

高浜町にある、漁港と隣接した「魚と旅するマーケット」UMIKARAは、地元の鮮魚や干物はもちろん、水槽で泳ぐ魚をその場で調理して味わえる施設です。販売されている灰干しや一夜干しで加工された干物は、身がふっくらとしてお土産にもぴったり。海を眺めながら食事を楽しんだ後は、マーケットへ足を運んでみませんか。
住所 〒919-2228福井県⼤飯郡⾼浜町塩⼟5-1
電話番号 0770-72-3528
営業時間 9:00~19:30
・夏季 9:00~20:00 
・冬季 9:00~19:00
定休日 年中無休(1/1のみ休業)
※詳細は事前にご確認ください。
参考サイト
UMIKARA
https://umikara.co.jp/kau/

約200年続く伝統の干物を作り続ける|木五商店

木五商店の店頭

木五商店の店頭

引用元: 若狭小浜お魚センター

若狭小浜お魚センター内に店舗を構える木五商店は、江戸・寛政の時代から約200年にわたり、伝統の干物の味を今に伝えています。

店舗で通年購入できる干物は、さばの醤油干しや「えてがれい」の塩干し。このほか鯛の開きが並ぶときもあります。えてがれいは日本海を代表するカレイの一つで、若狭湾でとれるえてがれいは良く肥えているのが特長。白身のあっさりとした味の中にも、うまみが広がります。

品ぞろえが豊富なオンラインショップでは、さばの塩麹干しやからすがれいの醤油干しなども購入できます。
住所 〒917-0081 福井県小浜市川崎2-5-1
電話番号 0770-52-2900
営業時間 8:00~12:00
定休日 水曜日
※詳細は事前にご確認ください。
参考サイト 木五商店

「海」のロゴが目印|若狭小浜 丸海 小浜本店

若狭小浜 丸海の店頭

若狭小浜 丸海の店頭

引用元: 若狭小浜 丸海 小浜本店

若狭小浜 丸海は、季節の海産物から、漬け魚、干物、練り物、ひしお、缶詰などさまざまな商品を取りそろえる「海」のロゴが目印のお店です。甘鯛の一夜干しや、鯖の醤油干し、若狭カレイの干物を販売しています。嶺南には本店の他に、敦賀駅前店があります。
住所 〒917-0078 福井県小浜市大手町9-21
電話番号 0120-52-3744
営業時間 8:00~18:00
定休日 12/31・1/1
※詳細は事前にご確認ください。
参考サイト 若狭小浜 丸海 小浜本店

冷凍保存もできる干物は敦賀・若狭のお店で!

盛り付けられた干物
若狭湾で水揚げされた新鮮な魚のうまみを凝縮した干物は嶺南地区(敦賀・若狭)のお店で購入できます。鮮度抜群の一夜干しや、名物の醤油干しをぜひ味わってみてはいかがでしょうか。持ち帰った干物は、冷凍保存で長持ちさせましょう。記事で紹介した保存方法、焼き方を参考にしてみてください。

全国初の日本遺産「プレミアム」に選定!さまざまな文化も堪能して

2024年7月、鯖街道を中心とする小浜市と若狭町の日本遺産「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道~」が、文化庁に「特別重点支援地域(日本遺産プレミアム)」に全国で初めて選定されました。
海の幸・山の幸に恵まれる若狭は、古代から朝廷の食文化を支えてきた御食国(みけつくに)。1500年以上、若狭から京都まで海産物を運んできた道は「鯖街道」と呼ばれるようになり、さまざまな文化が往来した歴史があります。若狭と京都を結ぶ鯖街道沿いには熊川宿や社寺、建物、祭りなどの文化財もあるので、ぜひゆっくり敦賀・若狭を訪れてみてください。
※掲載されている情報は2024年11月時点のものです。掲載情報は予告なく変更になる場合があります。