敦賀・若狭 グルメコラム

新そばが食べられる時期はいつ?打ちたてを味わえる越前そばの名店も紹介

畳風のランチョンマットが敷かれたおろしそば
新そばは1年の中でも食べられる時期が限られた特別なそばです。その時期にしか味わえないおいしさがあり、新そばを毎年楽しみにしているそばファンも多くいます。今回は新そばの時期やおいしさの理由とともに、福井名物のひとつである越前そばも解説。嶺南地区(若狭・敦賀)で新そばが食べられるおすすめのお店も紹介します。

新そばの時期はいつ?

打ちたてのそば
新そばとは収穫したばかりのそばの実で作ったそばのことです。新そばの時期は年2回、夏と秋が一般的で、それぞれ夏そば・秋そばと言われます。
夏そばは4~5月頃の春に種をまき7~8月頃に収穫、秋そばは7~8月頃の夏に種をまき10~12月頃に収穫します。そばは種まきから約3か月で収穫できるため、このように年2回の収穫が可能なのです。
そばにとって最適な生育環境は、気温25度以下で昼夜の寒暖差10度以上。この条件に当てはまる環境で育つのが、夏そばと秋そばです。

新そばがおいしい理由

木の器に入ったそばの実とそば粉
新そばがおいしい理由として大きいのは、そばの実を収穫して1~2か月後、すぐにそばにすることです。新そば以外のそばは、収穫後に乾燥させたそばの実(玄そば)を使用。しかしそばの実は常温だと味が落ちていきやすいのです。
保存設備が進化し、玄そばのおいしさをできる限り保てるようになりましたが、それでも新そばのフレッシュ感は格別のおいしさです。なお夏そばは爽やかな風味、秋そばは深みのある風味が特徴的だと言われます。

福井名物「越前そば」とは

海苔をかけた越前そば
新そばを食べるなら、そばが有名な地域で味わうのもおすすめです。福井県は「越前そば」を名物とするそばどころ。ここからは越前そばについて、特徴や魅力、歴史などを紹介します。

越前そばの特徴と魅力

越前そばは福井県の郷土料理のひとつです。もともとは福井北部の嶺北地方で生まれたものですが、現在は福井全域に広がっています。越前そばはそばの実の中身だけではなく、殻もすべて粉にして作ることが大きな特徴です。そのためそばの色味が黒っぽく、香りや味が強くインパクトがあります。
またそばのつなぎとして小麦粉を使うことが多いですが、越前そばは一般的によく用いられる薄力粉ではなく、強力粉を使います。これにより、さらなる歯応えが生まれるのです。
独特な製法による力強い風味や食感が、越前そばの魅力と言えるでしょう。なお店によっては、つなぎを使わない十割そばを提供するところもあります。

越前そばの歴史

福井でそば栽培が始まったのは室町時代中期、飢饉を乗り切るため栽培が推奨されたことが始まりとされます。越前そばは大根おろしをトッピングすることが多く、これは江戸時代の福井藩家老が、貧しく調味料のない庶民向けに考案したことが始まりという説も。
なお越前そばという名称は、昭和天皇が福井を訪れた際にそばを食べ、それを懐かしんで「越前のそば」とよく口にしていたことが由来とされます。

若狭・敦賀で新そばが味わえるお店

越前そばについて知った後は、実際にそのおいしさを味わってみましょう。嶺南地区(若狭・敦賀)でおすすめのそばの名店をピックアップしました。新そばの季節はもちろん、いつもこだわりのそばを提供する人気のお店ばかりです。

オープンは休日のみの隠れ家的名店「そば処 又八庵」

そば処 又八庵の店舗の外観

そば処 又八庵の店舗の外観

引用元: 御食国 食旅サイト

山の中にたたずむ隠れ家のようなそば処。土・日・祝日のみ営業しているお店です。福井県産のそば粉を使ったこだわりの十割そばを提供しています。
そば処 又八庵のそば

そば処 又八庵のそば

引用元: 御食国 食旅サイト

メインメニューである「又八」は、つけつゆに地域の伝統野菜アカカンバ(赤カブの一種)と辛味大根を混ぜたものが入っています。遠方からのリピーターも多い人気店です。
住所 〒914-0314 福井県敦賀市杉箸79-42
電話番号 0770-27-1048
営業時間
土曜日、日曜日と休日営業
11:00~15:00、15:00~17:00は要予約(電話)
定休日 平日
※臨時休業する場合があるので事前にご確認ください

こだわりの3たてが詰まった絶品そば「千束(ちぐさ)そば」

千束そばの店舗の外観

千束そばの店舗の外観

引用元: 千束そば

「挽きたて・打ちたて・ゆがきたて」の「3たて」をモットーに、こだわりの手打ち越前そばを提供するお店です。福井県産のそばを使用している他、石臼挽きによる自家精粉を行っています。辛めの大根おろしと一緒に食べる越前おろしそばがおすすめ。昼夜ともにそばがなくなり次第営業終了なので、早めの来店が良いでしょう。
千束そばの「越前おろしそば」

千束そばの「越前おろしそば」

引用元: 千束そば

住所 〒914-0052 福井県敦賀市清水町1丁目20-8
電話番号  0770-23-1182
営業時間 11:00~15:30(L.O15:00)
17:00~20:00(L.O19:40)
※火・木曜日は15:00までで夜間営業はなし
定休日 水曜日
※詳細は事前にご確認ください。
参考サイト
千束そば
https://chigusasoba.com/

駅近でもちもちの手打ち十割そば「蕎麦天ぷら海鮮 すずや」

すずやのそば打ちの様子

すずやのそば打ちの様子

引用元: 蕎麦天ぷら海鮮 すずや

敦賀駅から徒歩約1分という好アクセスな立地のそば店です。毎日開店前にそばを打つ様子を店頭右手のガラス越しに見られます。福井県産のそば粉を使用し、粉の温度や水分を巧みに調整して打ったそばは、十割でありながらもちもちの食感です。おろしそばやざるそば、丼物と組み合わせられるランチセットなどが人気。また、夜は一品料理や福井の地酒を楽しむのもおすすめです。
すずやのざるそば(十割そば)

すずやのざるそば(十割そば)

引用元: すずや

住所 〒914-0054 福井県敦賀市白銀町1-22
電話番号 0770-22-0618
営業時間 11:00~L.O14:00
17:30~L.O20:30
※そばがなくなり次第閉店
定休日 月曜日
※詳細は事前にご確認ください。
参考サイト 蕎麦天ぷら海鮮 すずや

原材料から厳選した丁寧な味わい「手打ちそば五郎兵衛」

五郎兵衛の越前おろしそばと天ぷらそば

五郎兵衛の越前おろしそば(左)と天ぷらそば(右)

引用元: 手打ちそば五郎兵衛

越前蕎麦認証店である五郎兵衛では、福井県産そば粉を石臼挽きで使用。自家製の辛味大根をのせた、こだわりの越前おろしそばが味わえるお店です。さっぱりとして、ほど良い刺激を楽しめる爽やかな味わいが魅力。そばは毎朝店主が丹精を込めて手打ちしています。冷たいそば・温かいそばメニューの他、丼物も充実しています。
住所 〒917-0045 福井県小浜市加斗29-1-1
電話番号 0770-52-6553
営業時間 11:00~15:00
※売り切れ次第終了
定休日 月・火曜日
参考サイト 手打ちそば五郎兵衛

ルーツは江戸時代。明治から続く老舗「米太」

米太の店舗の外観

米太の店舗の外観

引用元: 御食国 食旅サイト

江戸時代に米屋として創業、明治時代にそば屋になったという歴史をもつ老舗です。喉越しの良い自家製の細麺や、女将の実家で栽培している辛味大根を使ったおろしが特徴的。特に人気のからみそばは、出汁のきいたさっぱりした味わいが楽しめます。地元民に長年親しまれている名店です。
米太のカツおろしそば

米太のカツおろしそば

引用元: 御食国 食旅サイト

住所 〒917-0065 福井県小浜市小浜住吉9
電話番号 0770-52-0711
営業時間 11:00~18:30
定休日 水曜日
※詳細は事前にご確認ください。

新そばの時期は夏と秋!福井で名物の越前そばを召し上がれ

器にきれいに盛られたおろしそば
新そばは1年に2回楽しめる時期がありますが、収穫したてのそばを味わうものなので、その期間はあっという間です。日本有数のそばどころである福井を訪れ、名物の越前そばで新そばを堪能してみてはいかがでしょうか。今回紹介した通りそばの名店が豊富なので、きっと旅の良い思い出になるおいしい新そばと巡り合えるでしょう。

全国初の日本遺産「プレミアム」に選定!さまざまな文化も堪能して

2024年7月、鯖街道を中心とする小浜市と若狭町の日本遺産「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道~」が、文化庁に「特別重点支援地域(日本遺産プレミアム)」に全国で初めて選定されました。
海の幸・山の幸に恵まれる若狭は、古代から朝廷の食文化を支えてきた御食国(みけつくに)。1500年以上、若狭から京都まで海産物を運んできた道は「鯖街道」と呼ばれるようになり、さまざまな文化が往来した歴史があります。若狭と京都を結ぶ鯖街道沿いには熊川宿や社寺、建物、祭りなどの文化財もあるので、ぜひゆっくり敦賀・若狭を訪れてみてください。
※掲載されている情報は2024年11月時点のものです。掲載情報は予告なく変更になる場合があります。