福井の郷土料理「へしこ」とは。おいしい食べ方やおすすめの飲食店を紹介
へしことは魚の糠漬けのことで、福井県を代表する伝統的な郷土料理です。へしこの特徴や名前の由来、おいしい食べ方を紹介します。さらに福井県嶺南(敦賀・若狭)エリアで気軽にへしこが食べられるお店もピックアップ。テイクアウトやお取り寄せできる商品もありますので、福井の味を楽しんでみてください。
へしことは
へしことは、農林水産省の「日本の郷土料理」にも選ばれた福井の郷土料理です。最初にへしことはどんな食べ物なのか、意味や由来をみていきましょう。
米糠に付け込んだ魚
へしことは、サバなどの魚を塩漬けにし、さらに半年以上糠漬けにして熟成させたものです。福井県若狭地方や、越前海岸沿岸の伝統的な郷土料理です。積雪が多く寒さが厳しい冬を乗り越えるための保存食として、江戸時代中期頃から作られていたといわれています。
2007年12月、農林水産省から発表された「日本の郷土料理百選」にも選ばれました。へしこを使った「サバのなれずし」は、2006年食の世界遺産と呼ばれる「味の箱舟」(スローフード協会国際本部/イタリア)に認定されています。
2007年12月、農林水産省から発表された「日本の郷土料理百選」にも選ばれました。へしこを使った「サバのなれずし」は、2006年食の世界遺産と呼ばれる「味の箱舟」(スローフード協会国際本部/イタリア)に認定されています。
圧し込む(へしこむ)が名前の由来
名前の由来は諸説ありますが、樽に魚を押し込みながら入れる、「圧し込む(へしこむ)」からきた説が有力です。若狭地方では「無理やり押し込む」ことを「へしこむ」といい、短縮されて「へしこ」となったとされています。他に、魚を塩漬けして出てきた水分「干潮(ひしお)」がなまったとされる説などもあります。
都の食文化を支えてきた福井の鯖
福井県若狭地方は、古くから「御食国(みつけくに)」として塩や海産物などを都に納め、都の食文化を支えてきました。魚介類の中でも主に塩漬けしたサバを運ぶため、若狭と京都を結ぶ街道は「鯖街道」と呼ばれたほどです。へしこはイワシやイカ、フグなどでも作られますが、サバで作られたものが最も多く有名です。
また福井では、イワシを糠漬けにした「こぬか(こんか)いわし」も。保存食なので、通年を通して食べられ、「なれずし」といったハレの日のごちそうにも使われます。
現在では家庭で作られることは減りましたが、特産品や土産物として親しまれています。
また福井では、イワシを糠漬けにした「こぬか(こんか)いわし」も。保存食なので、通年を通して食べられ、「なれずし」といったハレの日のごちそうにも使われます。
現在では家庭で作られることは減りましたが、特産品や土産物として親しまれています。
へしこのおいしい食べ方
へしこは焼いて食べるのが定番ですが、他にもお茶漬けにしたり、パスタやピザに使ったりとアレンジも豊富です。ここでは、へしこのおいしい食べ方を紹介します。
定番の食べ方「焼く」
軽くグリルか、網で焼いて食べます。糠はつけたままでも、洗い落すのもお好みで。糠をつけたまま焼くと、より香ばしくなります。焼くことでサバの脂が染み出し、塩気と旨みを味わえます。ご飯のお供にも、お酒のつまみにも最適です。
新鮮なうちだけ「刺身」
新鮮なものは、焼かずに刺身として食べても。糠を取った後、薄く切って食べます。塩漬け、糠漬けで熟成され、スモークのような味わいを楽しめるでしょう。そのまま食べても良いですが、スライスした大根をのせレモン汁をかけるのもおすすめです。
初めての人におすすめ「茶漬け」
軽くあぶったへしこをホカホカのご飯にのせ、お茶か出汁をかけてお茶漬けに。お茶や出汁で塩加減が薄まり、へしこの脂が溶け出して絶妙の味になります。へしこが初めての人や塩辛さが苦手な人にもおすすめです。お好みで、ネギ、ごま、梅、青じそなどの薬味をのせてアレンジしても良いでしょう。
旨みと塩味がクセになる「パスタ・ピザ」
アンチョビのようにパスタやピザに入れた洋風アレンジもクセになるおいしさです。アンチョビとは塩漬けされたかたくちいわしのことで、塩と糠につけたへしこも活用できます。糠も具材として入れると、おいしさがアップします。
福井県嶺南エリアでへしこを食べられる飲食店
ここからは、福井県嶺南エリアでへしこを気軽に食べられるおすすめのお店を紹介します。旅館でも泊まりなしの食事だけが可能なところもありますので、チェックしてみてください。
モチモチ食感が魅力のへしこパスタが名物「pasta&pancake はまカフェ」
レモンが添えられたへしこレモンクリーム鯖パスタ
道の駅若狭美浜 はまびよりにある、自家製生パスタやパンケーキが食べられるはまカフェ。コチラのお店では、爽やかなレモンの風味とへしこの熟成された旨味が食欲をそそる「へしこレモンクリーム鯖パスタ」が人気です。使用している自家製麺は小麦粉に美浜町産の米粉をブレンドしていて、モチモチ食感に仕上がっています。デザートにはたっぷりクリームが盛られたパンケーキがおすすめ。思わず写真を撮りたくなるかわいさです。
敷地内の道の駅で、美浜の生産者さん自慢の農産物をお土産に購入もできます。
敷地内の道の駅で、美浜の生産者さん自慢の農産物をお土産に購入もできます。
住所 | 〒919-1122 福井県三方郡美浜町松原35-15-1 はまびより内1F |
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電話番号 | 090-1394-0131 |
営業時間 | 9:30〜18:00 |
定休日 | 月曜日
※詳細は事前にご確認ください。
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参考サイト | 〇はまカフェ |
まろやかな味わいのへしこの天丼は必食「味処 乃むら」
敦賀湾の獲れたて鮮魚をおいしいお酒とともに楽しめる食事処です。毎日魚市場で買い付けを行っているので、メニューは日替わりでその日のおすすめが提供されます。衣をつけて揚げたへしこを使ったへしこの天丼は名物メニュー。出汁をかけた白飯にとろろ昆布が広がり、その上にへしこの天ぷらが乗っています。へしこを天ぷらにすることで、味がまろやかになります。
住所 | 〒914-0078 福井県敦賀市桜町6-27 |
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電話番号 | 0770-25-7139 |
営業時間 | 17:30〜21:30(L.O. 21:00) |
定休日 | 日曜日
※詳細は事前にご確認ください。
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参考サイト |
味処 乃むら https://ajidokoro-nomura.com/ |
へしこおにぎりが食べられる「名田庄そば処 よってっ亭」
名田庄そば処 よってっ亭の外観
道の駅名田庄に併設するそば処です。おおい町名田庄地区の特産品・自然薯を使った自然薯そばが人気です。へしこを使ったおにぎりがあるので、そばとセットで食べてみてはいかがでしょうか。そばに鯖煮をトッピングした鯖そばもここだけの味です。
住所 | 〒917-0375 福井県大飯郡おおい町名田庄納田終109-1-1 |
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電話番号 | 0770-67-3788 |
営業時間 | 10:30~17:00(季節により変更あり) |
定休日 | 水曜日
※詳細は事前にご確認ください。
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参考サイト |
名田庄そば処 よってっ亭 http://www.natasho.co.jp/soba/ |
へしこメニューが充実「あなぐらももんじ」
美浜駅から徒歩5分、アクセスも良い美浜町で人気の居酒屋です。焼いたへしこ、へしこのお刺身、へしこ茶漬け、へしこパスタなど、美浜名物のへしこメニューが豊富。その他、旬の新鮮な魚や、シカやイノシシを使ったジビエ料理など肉も魚も絶品メニューが多数そろっています。福井の地酒とともに味わってみてください。
住所 | 〒919-1122 福井県三方郡美浜町松原36-1-1 |
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電話番号 | 0770-32-3131 |
営業時間 | 18:00~23:00 |
定休日 | 日曜日
※詳細は事前にご確認ください。
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参考サイト | あなぐら ももんじ | Mikata-gun Fukui |
トマトが爽やかなへしこスパゲッティが名物「喫茶 Pine(パイン)」
敦賀駅で約40年営業中の老舗喫茶店です。鯖のへしこを使ったスパゲッティを約10年前から提供しています。へしこをほぐして自家製トマトソースとオリーブオイルに絡めることで、へしこ独特の旨味がトマトの酸味と絶妙にマッチして深みのある味わいに。へしこスパゲッティ以外にも約20種類のパスタメニューがそろっています。
住所 | 〒914-0054 福井県敦賀市白銀町1-15 |
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電話番号 | 0770-24-0958 |
営業時間 | 9:00~21:00 |
定休日 | 月曜日、第3、5日曜日
※詳細は事前にご確認ください。
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参考サイト |
喫茶パイン https://www.instagram.com/pine1980coffee/ |
生でも焼きでもへしこが味わえる「食彩ごえん」
目の前に若狭湾を望む地元で人気のお店「食彩ごえん」は、昼に定食メニューを中心に提供、夜は単品料理とお酒を提供しています。小浜で採れた新鮮な魚介類は、女将自らが市場へ足を運んで仕入れを行っています。夏には岩がき、冬にはカニ・フグなどその時々の旬の地魚料理を味わえるのが魅力です。へしこのメニューは、生、焼き、みぞれと種類があり、お酒のアテはもちろん白ご飯とよく合うので〆にお茶漬けにするのもおすすめです。
住所 | 〒917-0068 福井県小浜市小浜日吉57-2 |
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電話番号 | 0770-53-0770 |
営業時間 | ランチ 11:30~14:00
ディナー 17:00~23:00
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定休日 | 水曜日
※詳細は事前にご確認ください。
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福井県嶺南エリアのお土産におすすめのへしこ
最後にテイクアウトやお取り寄せできるおすすめのへしこを紹介します。家族や友人など親しい人への福井の嶺南土産にいかがでしょうか。
手軽に食べられる「千鳥苑:へしこ瓶詰シリーズ」
千鳥苑では定番の鯖のへしこから、ちょっと変わった瓶詰の「へしこフレーク」などたくさんの種類を取り扱っています。瓶詰シリーズはそのままご飯のふりかけ代わりや、料理の調味料など幅広く活躍するでしょう。
住所 | 〒919-1208 福井県三方郡美浜町坂尻43-3-1 |
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電話番号 | 0770-38-1011 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
定休日 | 12月31日~1月1日
※詳細は事前にご確認ください。
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参考サイト |
千鳥苑のへしこ https://www.heshiko.com/heshiko/ |
福井県優良観光土産品 新商品部門賞受賞「おおい:若狭おおい 鯖へしこ茶漬け」
独自のドライ製法で加工、出汁と具材を加えたお茶漬けのもとです。地元の漁協婦人部加工部「たまてばこ」が作成した化学調味料を使わないへしこを使用しています。この商品は、第4回福井県優良観光土産品 新商品部門賞、全国観光土産品連盟推奨商品、全国観光土産品連盟会長努力賞受賞など数々の賞を受賞しています。
住所 | 〒919-2111 福井県大飯郡おおい町本郷159-8-1 |
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電話番号 | 0770-77-2811 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 土~日曜日、祝日、年末年始
※詳細は事前にご確認ください。
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参考サイト | おおいのうまいもん おおいショッピングサイト |
福井県嶺南エリアにはへしこのおいしいお店がたくさん
サバなど魚を塩漬けと糠漬けにしたへしこは、保存食として伝統的に受け継がれてきた食材です。現在でも特産品や土産物として親しまれ、さらにパスタやピザといったアレンジメニューも登場しています。福井県嶺南エリアにはへしこのおいしいお店が多く、どれも味わってみたいものばかり。ぜひ一度足を運んでみてくださいね!
※掲載されている情報は2024年1月時点のものです。掲載情報は予告なく変更になる場合があります。
※掲載されている情報は2024年1月時点のものです。掲載情報は予告なく変更になる場合があります。